不動産会社からもらえる物件資料の説明です。

 

 

ファクトシートとは

不動産会社に物件の問合せをすると、資料としてファクトシートがもらえます。

ファクトシートとは物件の情報をまとめた一枚の紙です。それに、物件の詳細、地図、契約の条件など必要な情報が載っています(ファクトシートの例)。

必要な内容はほとんど記載されていますので、必ずもらって内容を確認するようにしてください。

ここで面倒くさがると、あとから思わぬデメリットを発見し慌てることもあります。



ファクトシートだけでなく、貰った物件資料は捨てずにその物件を退去するまで保管しておきましょう。
賃貸借契約書などに記載されていない項目が載っていることがありますので、退去精算時に役立つことがあります。


ファクトシートの項目

ファクトシートに記載されている主な項目について説明していきます。
物件によってはファクトシートに記載されていない項目もあります。

物件について

建物や部屋についての説明です。
自分が希望した設備があるか再度確認しましょう。

交通(最寄り駅)
「◯◯駅から徒歩×分」とかいうやつです。
80mを1分で歩くという前提で計算されています。
学生の場合は通学も自己負担なので、交通費もチェックすると良いかもです。

建築年
昭和56年(1981年)以降を目安にするとよいでしょう。

昭和56年の建築基準法改正により、耐震基準も新耐震基準へと移行しました。
新耐震基準は旧耐震基準に比べ厳しい耐震性が求められるようになり、巨大地震がおきても倒壊しないよう規定されています。

あくまで基準ですので、新耐震基準だから必ず安心というわけではありません。

詳しくは、耐震診断に関する事項

構造
一般的には、木造や軽量鉄骨の低層物件をアパート、鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートのものをマンションと呼んでいますが、厳密な違いはないそうです。

通常、木造や軽量鉄骨より鉄筋コンクリート・鉄骨鉄筋コンクリートのほうが防音性に優れています。

専有面積
借主が個人で自由に使える場所の面積です。通常、アパートやマンションの場合は「玄関ドアから室内全部」で、間取り図の範囲が専有面積の範囲となります。
ただし、ベランダは専有面積に含まれません。ベランダは非常時に避難経路となるため共用部分扱いとなります。ファクトシートでバルコニー面積が別に表記されるのはこれが理由です。

専有面積の測り方には内法(うちのり)と壁芯(へきしん)があります。内法は壁の表面から測った面積。一方壁芯は壁の厚さの中心から測ったものになります。例えば壁の厚さが2cmの場合、壁芯面積は壁の厚さの半分、つまり1cm分だけ内法面積より広い計算となります。
どちらの計算方法で記載されているかは会社によって違いますので、気になる方は確認してください。

間取り
たまに、間取りが反転タイプのものが掲載されている場合がありますので注意してください。

部屋のレイアウトをざっくり考えておくと実際に物件を見る時に便利です。
特に、洗濯機、テレビ、エアコンは、蛇口、アンテナ、エアコン穴などの関係で置く場所が限られますので、必ず考えておくようにしましょう。

冷蔵庫はドアを開けるときジャマにならないかを念頭に置いて設置場所を考えてください。

方向
窓の位置と方向から日当たりの見当をつけておきましょう。日当たりが気になるなら、google map などで周囲の環境を確認するのも良いと思います。


契約について

入居時にかかる費用は、敷金、礼金、初月家賃、火災保険料などですが、それ以外にも保証人費用やらいろいろかかる場合が多いです。
契約時にかかる費用を確認しましょう。

また、毎月支払うのも賃料や管理費だけとは限りません。駐車料、町内会費、保証料、口座引落料などなど家賃の他にもいろいろかかる場合があります。
「毎月支払う合計額はいくらになるか?」を必ず把握するようにしてください。

賃料
月々の賃料です。他に管理費等がかかる場合があります。
共益費・管理費
建物の管理に使う費用、とか言われています。エレベーターの管理や共用部分の清掃などです。
ですが、賃貸の場合は賃料と共益費がそこまで厳密に分けられているわけではなく、ただの家賃の一部としている物件も多いです。

ファクトシートでは賃料の表示が大きいので、賃料を低めに抑えて家賃を安めに見せるイメージ作戦にも使われます(「賃料50,000円」でお客の目を引き、よく見ると「共益費:10,000円」とかいうパターン)。

契約形態(契約種別・契約期間)
一般的な契約形態は2年の普通賃貸借契約(一般賃貸借契約)です。
2年毎に契約の更新があります。
定期借家契約など特殊な契約形態の場合は確認しましょう。

賃貸借契約の種類については賃貸借契約の種類

駐車場
駐車場が狭いことがありますので、大きめの車を持っている場合は停められるか確認しましょう。

駐車場には敷地内と敷地外があります。
敷地外駐車場は家から多少距離がある場合がありますので、場所の確認をした方が良いと思います。また敷金などが別途かかることもあります。

礼金
「貸主に支払うお礼金」という名目です。慣習だそうです。お礼なので戻ってきません。
敷金
貸主に預ける保証金です。
退去時に原状回復費用を引かれ、残額は返還されます。
賃貸における原状回復とは、借りたときと同じ状態に戻すこと。この「借りた時の状態」の解釈が退去精算のトラブルのもとになります。
国交省のガイドラインでも「原状回復は入居時の問題としてとらえることがトラブル回避の元」としています。
詳しくは敷金と原状回復

原状回復費用の他に、「償却」または「敷引」という、退去時に工事代とは別に敷金から一定額引かれる金額がある場合もあります。

また、敷金は0円でも「清掃費」「保証費」などと敷金っぽい金額を入居時に請求されることがあります。ちなみに敷金っぽいですが敷金ではないので退去時に返還はされないことがあります。

更新
更新時に更新料や更新手数料がかかる場合は記載されています。通常は2年で更新です。
更新について

契約が「定期借家契約」の場合は更新が無く、契約満了日に契約終了となります。

火災保険
通常2年で要加入です。

賃貸契約で契約者が加入する火災保険は、建物にかける保険ではなく契約者を守るための保険です。
入居者が火事を起こした場合の貸主への補償などに充てられるので必ず加入してください

詳しくは賃貸物件の火災保険とは

現況・入居日
現在の物件の状況です。入居中とか即入居とかあります。
入居中の場合は入居できる日が記載されています。
設備
家賃に含まれるものが設備になります。一方家賃に含まれないものは「設備外」や「貸与」という言い方をします。

通常、「設備」として記載されているものは壊れた時の修理費用や交換費用や貸主が負担しますが、「設備外」「無償貸与」などと記載されている場合は貸主は修理をや交換をしてくれません。詳しくは設備が壊れたときの費用負担
設備の内容の確認はもちろんですが、利用料が別途かかる場合がありますので注意してください。
設備のメリットデメリットも知っておきましょう。

条件・備考
ペット可能、楽器演奏可能などの条件が記載されています。
それ以外に、「保証会社に要加入」「町内会費別途」など必要な情報が記載されています。
毎月費用がかかる項目がある場合もありますので必ずチェックしてください。

条件のメリットデメリットはこちら

会社の情報など

ファクトシートの一番下、横広に陣取っている項目です。

会社の情報
この物件を紹介している会社の情報です。
宅建番号が記載されています。会社のホームページを見るのも良いです。
手数料
仲介手数料の負担割合です。
賃貸の仲介料は「借主、貸主合計で家賃の1ヶ月分以内」と定められて、その負担割合が記載されています。

詳しくは賃貸の仲介手数料とは

取引形態
紹介している不動産会社と物件の関係です。
「貸主」「専任媒介」「一般媒介(仲介)」などがあります。
専任媒介や一般媒介の違いなどは契約者にはあまり関係ありませんが、「貸主」の場合は仲介手数料がかかりません
仲介料は物件と契約者を仲介することで発生する手数料なので、入居者募集している本人が貸主の場合は仲介料は不要なのです。

詳しくは仲介手数料を安く抑える方法